目的別やシーン別、一緒に行く人別のフレンチレストランの選び方

デートなら

デートでフレンチのランチやディナーをチョイスしたい時は、どんな目的やシーンで使うのかによってお店を選びましょう。
普段のデートやまだ付き合い始めたばかりなら、プチコースなどが用意されたちょっとお洒落なレストランがおすすめです。
一方で、彼女のバースデーやクリスマスなどの特別なイベントなら、ちょっと奮発してホテルの上層階にある夜景がきれいなレストランや、予約がなかなかとれない高級レストランにチャレンジしてもいいかもしれません。
プロポーズをしたい時はスタッフがフォローしてくれる高級レストランもいいですが、アットホームながらも本格フレンチを提供している個人店などもおすすめです。

お友達との食事や女子会なら

久しぶりに会う友達とちょっと豪華に食事をしたいときや、グルメな仲間と女子会をしたいとき、ママ友とのランチなどを楽しみたいときには、やはり、お洒落な雰囲気で、お値段的には高過ぎず、主婦仲間でも手が届く価格帯のお店を探すといいでしょう。
重要なのはコスパの良さで、見た目にも味にもボリューム的にも満足できるのに、このお値段で食べられるの的なお得感があるお店がおすすめです。
女子会やママ友仲間にとってお得というのはとても重要なキーワードですし、気の置けない友達と食事をするときも、お値打ち感のあるお店であれば、お互いの懐事情を探り合わず安心して利用できるからです。

家族での食事なら

家族でお祝い事があった際にもフレンチレストランでのお食事はおすすめです。
お誕生日や結婚記念日、入学や卒業のお祝い、退職祝いや還暦祝いなどのほか、クリスマスなどの季節のイベントにも利用したいものです。
お子さまがいるとマナーが気になるフレンチレストランでの食事は避けがちですが、一人で落ち着いて座っていられる年齢になり、場をわきまえて静かにできるようになったら、大人と同じコース料理も充分に食べられる食欲が出てくる段階で、ホテルにあるフレンチレストランなどにデビューさせるのもおすすめです。
小学校に入学した以降くらいが目安かと思いますが、高級なレストランの雰囲気を覚え、フォークやナイフ、スプーンなどの使い方を覚えながら食事をすることで、マナーや教養も身に付き、エレガントな大人へと成長していくことができます。
お子様連れは不安なら、ホテルのレストランで個室に案内してもらうなどすれば、気兼ねなく楽しめます。
親族の結婚披露宴などに出席して予行練習をしてからでもいいので、ぜひお子様にもフレンチレストランの雰囲気を体験させてあげましょう。

発祥した地方による違い

アルザス料理など

一言でフレンチと言っても、発祥した地方によって特色が違います。
アルザス地方のものは様々な野菜や白ワインが使われています。
代表的なのはシュークルートという塩と香辛料で漬け込んで発酵させたキャベツを白ワインで煮込んだ家庭料理です。
ガチョウや白身の魚と一緒に煮込むこともあります。
ブルゴーニュ地方のものは旨味を引き出すためにじっくり煮込んだものです。
ブッフ・ブルギニョンという牛肉を煮込んだ料理などがあります。
マッシュポテトやバターライスを添えて、ハヤシライスのように食べましょう。
コック・オーヴァンという豚肉、野菜、赤ワインを使った料理やエスカルゴ料理もあります。
白ワインやチーズをたっぷり使ったフレンチとして有名なのはサヴォワ地方のものです。
ポテトやハムにチーズをつけて食べるラクレットという料理があります。

デザート

フレンチのデザートの特色も発祥した地方によって違います。
ピカルディー地方の生地にハムを包んでチーズやクリーム、塩などをかけたクレープのようなフィセルは古くから作られているものです。
日本のクレープはフランスのピカルディー地方のものと異なるフルーツやチョコレートなどを包んでクリームをかけたものなので主食にはなりませんが、ピカルディー地方のものは主食として食べられます。
デザートではありませんが、ポテトが好きな人はオーヴェルニュ地方のアリゴというおもしろいものを食べてみましょう。
マッシュポテトとチーズを練って作ったアリゴは美味しいですし、食べる時にマッシュポテトが糸を引いて伸びる見た目も非常におもしろいです。

プロヴァンス料理など

フレンチの料理はまだまだあります。
ノルマンディー地方のものはフレンチの中でも特に美味しいです。
仔牛のソテーーなどが人気です。
プロヴァンス地方のものはどの世代の人にも好まれるものでしょう。
ラタトゥユというナス、ピーマン、トマトなどをオリーブオイルで炒めて野菜の旨味と甘味を引き出したものは子供にも大人にも人気があります。
南部のプロヴァンス地方は自然がとても豊かな地域であるために、このような料理が作られるようになったのでしょう。

バスク料理と呼ばれるピレネー山脈の周辺に住む民族のバスク人が作る料理の名前も日本で聞くようになりました。
これはフランス料理とスペイン料理の要素があるものです。
他にラングドック地方の海や山の幸を使った料理などがあるのですが、これは川魚やキノコ、乳製品などが使われているものになります。

お店のタイプによって異なるフレンチレストランの雰囲気

気楽なカジュアルフレンチ

フレンチレストランにも様々なタイプがあり、最近ではカジュアルフレンチのお店が増え、人気を高めています。
アラカルト料理のみや、ランチセット、ランチやディナーのプチコースなどが用意されていたり、ワインが美味しいお店として賑わいを見せています。
バースデーパーティーができたり、職場の忘年会や新年会などの宴会プランができるお店などもあり、気軽な雰囲気で利用ができます。
お値段的にもお手頃で、職場の近くにあればランチタイムに気軽にランチを楽しんだり、仕事帰りに一人での食事や同僚や上司との夕食や飲み会利用もしやすいです。
夜はワインなどお酒を楽しむワイワイとした雰囲気がありますが、昼間の時間帯なら学生さんから家族連れまで気軽に食事ができる雰囲気が魅力です。

アットホームな個人店

フレンチレストランの中には住宅街の一角や路地裏、地方やリゾート地の一角などで若手のシェフが独立して始めたお店や、夫婦二人で切り盛りするような小さなお店もあります。
フランスで修行をしたり、都会の有名店で修行した経験があるなど腕も確かで、味も美味しく、アラカルト料理のほか、本格的なコースメニューが用意されていたり、予約制でバースデー向けなどにスペシャルコースなどをカスタマイズしてくれるお店もあります。
お店もこじんまりして他のお客さんもあまり気にならず、店主やご夫婦のフォローがあるアットホームな雰囲気なので、本格的なフレンチが提供される割にはリラックスして食事ができるのが魅力です。
恋人とのデートや特別の日のディナー、家族そろっての食事や親族でのお祝い事などにも利用しやすいです。

エレガントに振る舞いたい高級フレンチ

高級フレンチレストランは敷居が高いイメージがありますが、優雅な時間を過ごしたい方にはおすすめです。
お洒落をして非日常を楽しみたい方や、セレブ感を楽しみたい方、ワンランク上のスタータスある自分に満足したい方にもおすすめの雰囲気です。
ホールのスタッフの方もスマートで優雅な振る舞いですから、初めての方はお店の雰囲気やスタッフの物腰、周りのお客さんの振る舞い方などに合わせていけば、エレガントに過ごすことができます。
困ったときにはスタッフがフォローしてくれるので、メニューの頼み方やワインの選び方など分からないことや困った事があれば、気軽に声をかけましょう。
声をかけるといっても、基本的に手を挙げて「すみませーん」と呼ぶのはNGです。
気になることやオーダーしたい時には、近くにいるスタッフを見つけて目くばせをしましょう。

フレンチの魅力を知って気持ちよく食事をしたい

世界三大料理のフレンチの魅力を知ろう

フレンチは中国料理、トルコ料理と並ぶ世界三大料理とされ、調理法や味わい、見た目の美しさで世界の方に親しまれています。
英語が世界の公用語や世界スタンダードの言語であるならば、フレンチは世界スタンダードのおもてなし料理といっても過言ではありません。
世界レベルでのフォーマルな席では自国の料理ではなく、フレンチのコースでのおもてなしがスタンダードになっています。
日本でも海外からの大切な国賓などを迎える際、宮中晩さん会でも和食ではなくフレンチのフルコースでおもてなしをするのが定番となっているほどです。

フレンチは実はヘルシー!?

フレンチのフルコースは品数も多く、カロリーも高そうであまり健康に良くなさそうなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
ですが、本来のフレンチのフルコースは見た目の華やかさや内容の豪華さで演出するだけでなく、ゲスト一人一人の健康なども考えたメニューで構成されるスタイルとなっています。
たとえば、シニアのゲストなら食べやすいように細かく刻んで調理をしたり、柔らかく仕上がるように、お肉の繊維を柔らかくする玉ねぎなどで漬けこんでから蒸し煮をしたりします。
太り過ぎが気になるというゲストや、体型を気にされている女性にはバターや生クリームの量を控え、ハーブなどの香草で香りづけしたり、スパイスで風味付けをしてあっさりと仕上げながらも、味わいのある満足できる料理に仕上げるといった形です。

素材を大切にし料理の美味しさを最大限に考えている

日本でのフレンチはバターやクリームたっぷりでカロリーが高そう、くどそうな料理をイメージされる方が少なくありません。
ですが、本来のフレンチは食材の旨みや色合いなどを生かし、引き出す調理法が基本で、必ずしもクリームやバターたっぷりの料理だけではないのです。
また、バターをたっぷり使っていても、ハーブなどの香草やレモンなどの柑橘、ワインビネガーやバルサミコ酢などの酢などを用いることで、さっぱりと頂けるように仕上げられています。
また、フルコースが1皿1皿、食べ終わるタイミングで出されるのにも意味があります。
冷たいものは冷たく、温かいものは温かく、ベストな状態で食べることができるように考えられており、しかも、その方、一人一人の食べるタイミングに合わせて作られてサーブされます。
周囲の方や時間による勝手なペース配分ではなく、一人一人が食べるペースに合わせてホールスタッフが確認しながら厨房にタイミングを伝えて調理が進められます。
一人一人のことを大切にくれる、体にも優しく真心込めた料理がフレンチなのです。

食後に楽しみたい心も癒してくれるデザート

洋のデザート

デザートといえば、ランチや夕食の後、人によっては朝食時にも登場する食後のお楽しみです。
こってりしたものを頂いた後に、あっさりとした口直しとして頂いたり、塩気のある食事を頂いた後のお口直しとして甘い物をちょっと頂くスタイルですが、デザートを楽しみにしているという方、デザートがないとテンションが落ちるという方もいらっしゃることでしょう。
外食時のデザートとしてイメージされるのが、洋風のスイーツです。
お口をさっぱりさせてくれるフルーツのシャーベットや、バニラなどの冷たいアイスクリームをはじめ、お口直しの一口サイズのチョコやプチフールをはじめ、甘い物は別腹でケーキにコーヒーや紅茶をしっかり頂きたい方も多いかもしれません。
レストランでの食事なら、デザートの盛り合わせに何が出てくるのかワクワクされる方も多いのではないでしょうか。

和のデザート

デザートというと洋風のスイーツをイメージされたり、ケーキやアイスクリームが定番という方も多いかもしれません。
ですが、和食の後なら和のデザートを組み合わせるのが粋です。
懐石料理のお店や和食のお店でデザートとして供されるのは、旬の果物をお口直し代わりに水物と称して出されることが多いです。
そのほか、一口サイズの季節を彩った生菓子や干菓子などが、抹茶や煎茶など渋めのお茶か、お口をさっぱり、香りで心も癒してくれるほうじ茶と一緒に供されます。
日本茶と一緒に甘い物をいただくことで、塩辛さと甘さを味わって食事にメリハリが付き、お口の中もスッキリしますし、食事をした満足感も得られます。

ヘルシーなデザート

ケーキなどの洋風スイーツはカロリーが気になる、和菓子は糖分が気になるなど、ダイエットをされている方などの中には気にされる方も少なくありません。
そんな方でも楽しめるデザートが、栄養価も高くビタミンや食物繊維が豊富な旬の果物をそのまま頂いたり、朝食時なら無糖のプレーンヨーグルトをはじめ、フルーツやナッツ、きな粉などをトッピングしたヨーグルトをデザートにすることです。
ランチやディナーのデザートには、ノンカロリーの寒天にカルシウムなどのミネラル豊富な黒蜜とたんぱく質やイソフラボンもとれるきな粉をトッピングしたり、砂糖控えめで手作りしたフルーツゼリーなどもおすすめです。
外食時なら砂糖やクリーム分の多いアイスクリームより、フルーツがメイン素材のシャーベットやソルベを選ぶのがいいでしょう。
素材を選べば、ダイエット中でも十分にデザートを味わえます。

フレンチのデートで失敗しないために

カジュアルなお店からステップアップを

かっこよくお洒落にデートを決めたいと、行ったこともない高級レストランにいきなり予約を入れたり、予約のとれないレストランに頑張って席を確保するより、徐々にステップアップするのがおすすめです。
女性にとってもいきなり高級なお店に連れて行かれるより安心できますし、初めてのデートなどでまだあまり関係性も深まっていない時には、お互いにリラックスした雰囲気で会話ができるようなお店がおすすめです。
高い料金でフルコースを楽しむような敷居の高い高級レストランではなく、まずはランチにOLさんや主婦の方がプチコースを楽しんでいるようなお店などからスタートしてみましょう。
ファミレスや庶民的な洋食レストランよりはワンランク上の雰囲気と、シンプルなコース料理が用意されているお店がおすすめです。
オードブルにスープ、魚料理またはお肉料理が選べ、サラダにデザートといった一通りのコースが楽しめたり、前菜からスープ、メインディッシュが全て一度に並べられ、最後にデザートとコーヒーが運ばれてくるといったセットプランからスタートさせましょう。

エスコートのマナーもマスター

カジュアルながらも正統派のフレンチレストランを幾つかデートで楽しんでいくうちに、フレンチレストラン特有の雰囲気やウエイターの動き、お客様の雰囲気や振る舞い方なども学べ、経験が蓄積されて、ワンランク上のお店にもチャレンジできるノウハウや自信がついてきます。
高級なフレンチレストランでデートをする際にはテーブルマナーはもちろんですが、入店時や着席時のマナーもマスターしておきましょう。
西洋ではレディーファーストが礼儀ですから、入店の際は彼女を先に通し、テーブルに案内された際も先に座ってはいけません。
ケーキなどを選ぶ際にも、まずは彼女に選んでもらい、その後にご自身が選びます。
自分はこのケーキが好きだからと、先走ってはいけません。

困った時はホールスタッフに頼ろう

高級レストランに彼女を招待すると、初めてのお店やその雰囲気に慣れていない男性は緊張して思うようにいかないこともあります。
そんな際も焦りは禁物です。
ウエイターやソムリエなどのホールスタッフは、マナーを知らないお客さんの敵ではなく、むしろ味方です。
デートでのお食事が上手くいくように優しく見守ってフォローしてくれますので、困ったことがあればさりげなくサポートをお願いしましょう。
スタッフに用がある際や、困ったことがある際は目くばせで合図を送って、近くに来てもらいます。
小さい声でお願いするだけで、状況を察してサポートしてくれるので安心です。
彼女へのサプライズのお願いなども、フォローしてもらえます。

フレンチレストランで働きたい人にアドバイスしました

フレンチのシェフの仕事内容を知っておこう

フランス料理の調理法に高い関心を持っている人が多く、料理教室に通学をしたり、お店で働いた経験のある人は調理師資格を取得しています。
調理師資格を取得している人は、フレンチレストランのシェフとして勤務をしたい人が増加しています。
フレンチレストランのお店では豊富な経験や、熟練した技術を持っているシェフが在籍をしているため、調理経験が少ない場合でも丁寧な指導が受けられるので、安心して勤務ができます。
食材を仕入れたり仕込み作業を行い、メインディッシュや前菜などの調理を担当します。
長時間厨房で仕事をこなす必要があるため、体力を要する仕事ですが、非常にやりがいのある仕事です。
調理の技術を向上させたい人は、地元で人気のフレンチレストランで働いてみると良いでしょう。
事前に予約を入れておくと、希望の日時に面接が受けられます。

ホールスタッフは明るい性格の人が向いています

大学生や主婦は、家事や学業の合間を利用してフレンチレストランで、パートやアルバイトとして勤務をしたい人が増加しています。
ホールスタッフは来客をお店に誘導したり、メニューを手渡したり、注文を聞いてキッチンに伝えるのが主な仕事です。
人と接するのが好きな明るい性格の人が向いている仕事ですが、基本的な接客マナーを身に付けたい人も数多く勤務しています。
責任感のある真面目な性格の人は、来客にも好印象を持ってもらえます。
ある程度のコミュニケーション能力が必要ですが、基本的には初心者の人も働きやすい環境が整っています。
地元で人気の高いフレンチレストランでは、研修期間があるので基本的な仕事内容を身に付けることができます。
清潔感のある髪型、服装、メイクなどを心掛けて下さい。

キッチンスタッフの仕事内容を知っておきたい

主婦は毎日洗い物や調理などの家事をこなしているため、キッチンスタッフとして勤務をしたい人が増加しています。
お皿などの食器を食器洗い洗浄機にセットしたり、サラダや前菜の盛り付けを担当したり、簡単な調理補助を行います。
コーヒーや紅茶、ソフトドリンク、お酒などの飲料を注文された時も、作業をこなす必要があります。
フレンチレストランなどの飲食店は、主婦や大学生が働きやすいシフトになっており、確実に収入を増やしたい人にお勧めです。
調理場の作業が終わった後は、厨房の掃除や片付けなどもこなす必要があります。
衛生的で清潔な雰囲気のお店は、来客に好印象を持ってもらえるので、掃除は丁寧に行わないといけません。
夕方や夜間に勤務ができる人は、時給も高めになっています。

フレンチについて知っておきたいこと

フレンチの歴史

フランス料理といえば中華料理やトルコ料理と並んで世界三大料理に数えられますが、その一方で高級で値段が高いといったイメージやマナーが難しいといった理由から敷居の高さを感じている人も多いでしょう。
しかし、15世紀以前の西ヨーロッパの料理はイタリアを除くと非常にシンプルなもので、フランスでもお肉を焼いて大皿で出し、それを手づかみで食べるといった様子でした。
このようなフレンチのイメージが一新されたのは16世紀に入ってからです。
アンリ2世がイタリアの名家メディチ家のカトリーヌ王女と婚姻関係を結んだことで、メディチ家で雇われていた宮廷料理人がフランスへ同行し、イタリアの食事がフランスに持ち込まれたのがきっかけです。
その後、フランス革命が起こったことでそれまで宮廷で働いていた料理人は職を失ったため、街に出てレストランを開きました。
これにより、一般市民にもフランスの宮廷料理が振る舞われるようになり、フランス全土に美食が広まっていきました。

フレンチの特徴

フレンチの大きな特徴の1つがソースで、様々な食材に合うソースが長い歴史の中でたくさん生まれています。
小麦粉をバターで炒めてミルクでのばしたベシャメルソースは様々なソースのベースとして使われることもあるくらいメジャーなもので、たとえばアルマンドソースはベシャメルソースに卵黄を加えたものです。
また、赤ワインを煮込んだヴァン・ルージュソースはお肉料理にとても良く使われるソースです。
フレンチには和食と同じようにダシをお料理のベースとして使用する文化もあります。
フレンチのダシはフォンと呼ばれ、仔牛の骨から抽出するフォンドヴォーが良く知られていますが、その他にも鶏ガラや傘な、野菜などを加えて煮込むことでさまざまなフォンが作られます。

フルコースの順番

フレンチレストランにはビストロと呼ばれるフランスの家庭料理を中心に出すくつろいだ雰囲気のお店もありますが、一般的には高級なお店を思い浮かべる人が多いでしょう。
高級フレンチでは基本的にコース料理となっていていますので、お店に行く前に基本的なメニューやマナーを知っておくと安心です。
フレンチのコースでは最初にアペリチフという食前酒が出された後にアミューズという突き出しがでます。
さらにオードブルと呼ばれるサラダやマリネといった前菜、さらにスープが出されます。
ここまでは食事の前に胃腸の調子を整えておくという意味合いが強いです。
ここからはメインディッシュとなり、まずは魚料理のポワゾン、その後に肉料理のアントレと続きます。
ポワゾンとアントレの間にはソルベという口直しが出されることもあります。
メインディッシュの後はお店によってはフロマージュというチーズが出て、最後にデザートとコーヒーという流れになります。

本格的なフレンチ、家庭的なイタリアン

素材とソースの違い

ヨーロッパを代表する料理であるフレンチとイタリアンの違いを説明できるでしょうか。
後者は素材を生かした料理ですが、前者は素材をソースで引き立てる料理です。
また、後者に使われるソースはオリーブオイルやバルサミコなどシンプルなものですが、前者のソースは手間をかけて作ったものになります。
バターを使うこともあります。
ソースの他にもフレンチとイタリアンは色々な違いがあり、例えば前者はパンですが、後者はパスタです。
前者は先ず魚料理が出され、次にシャーベットのようなソルベという物が出されます。
ソルベは魚料理の口直しに食べる物です。
そして、肉料理が登場し、最後にフルーツ、コーヒー、一口大と小さなケーキです。

後者は国旗の3色で彩られることが多く、 肉を赤、チーズを黄、野菜を緑とします。
パスタ料理の次に肉料理か魚料理が出され、サラダ、チーズ、デザートと続きます。
甘いデザートで食事を締め、口直しに苦いコーヒーを飲んでください。
チーズはコースに含まれていないこともあります。
前者は何種類もの魚介類が使われた料理が多いですが、後者は植物系が使われた料理が多いです。

マナーの違い

フレンチとイタリアンのマナーも違います。
後者はフォークの背中に料理を乗せて食べますが、前者の料理フォークの背中に乗せて食べてはいけません。
また、前者はフォークを右の手に持ち替えても構いませんが、後者ではマナー違反です。
料理を食べている時のマナーも違います。
後者はスープを手前から奥にスプーンを運ばせながら飲み、量が少なくなったら、スープ皿の手前の方を浮かせて飲みやすくしますが、前者の場合はその行為がマナー違反になってしまいます。
スプーンを奥から手前へ運ばせながら飲み、量が少なくなったらスープ皿の後ろの方を浮かせて飲んでください。
料理を食べ終わった後のマナーに関しては、前者の場合は3時の方向にフォークやナイフの柄が来るように置きますが、後者の場合は縦に置きます。

大きな違い

フレンチの原型はイタリアンですが、この2つの料理の素材やソース、マナーは違います。
ただ、最近ではライトなソースをかけただけの素材を生かしたフレンチもありますし、反対に手間をかけて作ったソースのイタリアンもあります。
前者は何年か修行を積んだシェフが作る本格的な料理、後者はお母さんが作る家庭的な料理というのが一番の違いかもしれません。
後者は地域色が強く、前者はそれほど強くないことも大きな違いです。